飯嶋和一 神無き月十番目の夜 (小学館文庫)

神無き月十番目の夜 (小学館文庫)
飯嶋さんの本は『始祖鳥記』に続いて2冊目。400ページ余りとそんなに厚くないのだが、読むのに時間がかかってしまった。それは改行が少なくて1ページにみっしりと文字が詰まっているから。
家康の時代に入った頃に、常陸の国のひとつの村が幕府の手によって抹殺された話。この舞台となっている小生瀬は、今は常陸太田市になってしまった里美村から近いようだ。里美村は何度も通っていて、このあたりは山深い印象があったが、こんな歴史があったとは知らなかった。重い話たが、とてもよい本だ。